4.「リスキリング」した先のこと。企業も社員も見ていない

皆さん、「リスキリング」という言葉を耳にしない日はないですよね。でも、ちょっと立ち止まって考えてみましょう。本当にリスキリングの先にある未来が見えていますか?それとも、ただ流行りの言葉に踊らされているだけ?

リスキリングブームの実態
岸田内閣が、リスキリングの予算7兆円の投下を決定しました。すごい金額ですよね。でも、各企業がこの予算をどこまで使えるのか、様々な条件があって実はよくわかりません。
それでも、このバズワードが新しい取り組みへの力学となっていることは間違いありません。皆さんの会社でも、何か動きはありますか?

「研修」と「リスキリング」の違いは?
多くの企業の人材開発を支援してきた身として、正直に言って、違和感があります。

  1. いままでの「研修」と何が異なるのか?
  2. わざわざ「リ」スキリングとしていることを、どのように捉えるべきか?

この本質を捉えないと、ガワだけ変えた焼き直しの取り組みとなり、結果としてすぐに形骸化してしまう未来が見えてしまいます。皆さん、自社のリスキリング施策、本当に新しいものになっていますか?

リスキリングの真の意味
端的に言えば、従前の「研修」の延長線ではない「リスキリング」にどのような意味があるのか(持たせるべきか)といえば、「新しい仕事をつくるため」に他なりません。
逆に言うと、それ以外に、既存の研修との違いを定義することはできないのです。つまり、リスキリングの内容と、その先にある「新しい仕事」をセットで設計しないと意味がありません。

「イノベーション力」の幻想に騙されるな
「何か分からないけど、その仕事を生み出すための『イノベーション力』の育成なのだ」という方もいるかもしれません。でも、ちょっと待ってください。それって本当に現実的ですか?
強制的に発案させ、事業化へのプロセスが引かれ、それを手厚く支援する仕組みがない限りは、現実的にはただの幻想です。「イノベーション」という言葉に酔いしれるだけでは、何も生まれません。

リスキリングを価値あるものにするには
では、リスキリングを本当に価値あるものにするには、どうすればいいのでしょうか?ここでいくつかの提案をします:

  1. 明確な目標設定: リスキリング後に目指す具体的な職種や役割を定義する
  2. ロードマップの作成: 現在のスキルから目標までの道筋を明確にする
  3. 実践の機会の提供: 座学だけでなく、新しいスキルを使う実際のプロジェクトを用意する
  4. メンタリング制度: 経験者による指導・サポート体制を整える
  5. 成果の可視化: リスキリングの成果を評価し、キャリアパスに反映させる仕組みを作る

各ステークホルダーの役割
リスキリングを成功させるには、各ステークホルダーの役割も重要です:

  • 経営者: 明確なビジョンと、リスキリングへの本気度を示す
  • 人事部: 全社的な戦略と個人のニーズをマッチングさせる
  • 事業部: 実際の業務に即したリスキリングプログラムを設計・実施する
  • 社員: 自身のキャリアを主体的に考え、積極的に学習に取り組む

さあ、皆さんの会社のリスキリング、本当に効果的ですか?単なる研修の焼き直しになっていませんか?リスキリングの先にある具体的な姿が見えていますか?

経営者や人事部、そして人材開発を担当する事業部の方にとっての、必要な視点とアプローチについて、より詳しくお知りになりたい方は、ぜひお問い合わせください。御社の状況に合わせた、効果的かつ持続可能なリスキリング戦略の構築をお手伝いさせていただきます。

本当の意味でのリスキリング、一緒に考えてみませんか?

 

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