6.行き先は天国か地獄か?社内で眠る「シニア」を発奮させよ

皆さん、こんな光景、見たことありませんか?オフィスの隅で、何をするでもなく時間を潰している年配の社員。「あぁ、再雇用されたんだな」と思いつつ、複雑な気持ちになる。でも、ちょっと待ってください。本当にそれでいいんでしょうか?

シニア雇用の現状と課題
労働人口の減少に伴い、雇用期間の延長というテーマが静かにクローズアップされています。政府も2021年に、70歳までの継続雇用を努力義務とするお達しを出しました。
長く働くことは本人の生きがいにもなるし、企業にとってもノウハウのある人材に残ってもらえるなら嬉しいはず。でも、現実はどうでしょう?
多くの企業で「再雇用制度」が設定されていますが、その実態は:

  1. 残っても組織に対してバリューが出せる自信がない人は残らない
  2. 残っても続かない
  3. 最悪は、組織としても使い道がなく、どうでもいい仕事を適当に振って1年は我慢

まあこれでもいいのかもしれません。でも、今後本格的に採用がしにくくなってきた時、これって大問題になりますよ。人材戦略にもよりますが、やむを得ない純減は組織の力を確実に下げます。

再雇用制度の落とし穴
「だからこその再雇用制度だ」と片付けてしまいがちですが、少し考える必要があります。
専門スキルのあるシニア社員は何の心配もありません。問題は、ゼネラルなビジネススキルしかない「管理職」の人たちです。管理職から外してそのまま再雇用しても、やることがない。かといって、定年を延長し、シンプルに管理職のまま残す方法を取れば、ポストが詰まって昇格できないとわかった若手やミドルのモチベーションが著しく下がる。
これ、どうしますか?

シニア活用の新しい方向性
答えは二つしかありません。

  1. リスキリング:
    • 管理職から離れても、社内で価値を出せるような専門スキルを早い段階から得てもらう。
      例:データ分析、プロジェクトマネジメント、コーチング

    でも、言うは易し行うは難し。並大抵の方法や努力では為し得ないでしょう。

  2. 新しい業務の設計:
    • 単なる受け皿ではなく、組織にとって真に生産的な、培った経験やゼネラルなスキルが活かせる新しい業務を作り出す。 その答えの一つが、「組織の生産性を高めるための業務」です。

組織の生産性を高める新しい役割
具体的にどんな役割があり得るでしょうか?いくつかのアイデアを挙げてみます:

  1. ナレッジマネージャー: 長年の経験を活かし、社内のベストプラクティスを収集・整理・共有する役割
  2. クロスファンクショナル・ファシリテーター: 部門間の壁を越えて、スムーズな協働を促進する役割
  3. メンター・コーチ: 若手・中堅社員の成長を支援する役割
  4. イノベーション・カタリスト: 新しいアイデアを発掘し、事業化に向けて支援する役割
  5. 組織文化アンバサダー: 企業理念や価値観を体現し、社内に浸透させる役割

これらの役割は、シニア社員の経験と知恵を最大限に活用しつつ、組織全体の生産性向上に貢献します。

さあ、行動を起こそう!
皆さんの会社では、シニア社員をどう活用していますか?「お荷物」扱いになっていませんか?それとも、貴重な「人財」として扱っていますか?
シニア社員の活用は、単なる人事施策ではありません。それは、組織の未来を左右する重要な経営戦略なのです。

新しい業務設計に関する具体的なコンセプトについて、より詳しくお知りになりたい方は、ぜひお問い合わせください。御社の状況に合わせた、効果的かつ持続可能なシニア活用戦略の構築をお手伝いさせていただきます。

シニア社員の天国と地獄は紙一重。その境界線を引くのは、私たち経営者の想像力と実行力なのです。さあ、一緒に「シニア天国」を作り出しませんか?

 

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