皆さん、ちょっと想像してみてください。ある日突然、上司から「今後は部門で人事をやってくれ」と言われたら、どう反応しますか?「えっ、それって人事部の仕事じゃないの?」とパニックになりませんか?でも、そんな日が近づいているかもしれませんよ。
人的資本経営の波が押し寄せている
人的資本経営が社会的テーマとなっています。それを背景に「人材育成」という領域がクローズアップされており、大手企業から中堅の企業まで、いよいよ本腰が入り始めています。
「それは人事部の仕事だから、我々事業部は関係ない」と高をくくることなかれ。各部門の人材育成は、これからは部門でという流れは間違いなくあり、いつか皆様のところにもきっと降りてきます。その時、慌てないためにも、今から心構えをしておきましょう。
「事業部はOJT」では不十分
「事業部はOJT」という通念がある中で、人材開発担当でも無い限り、事業部で「育成計画」を立てるケースはまれでしょう。コンピテンシー定義はあるけど、内容がそもそも一般論過ぎたり、その育成が完全に個々に委ねられ、マネジャーがグリップできていなかったり…。
正直に言って、これでは組織的な育成とは到底言えません。皆さん、自分の部門の育成計画、ちゃんとありますか?ないなら、今すぐ作り始めるべきです。
事業部目線の「人材育成計画」が必要
今後、必要となるのは、事業部目線による「人材育成計画」の立案と運用です。事業部のトップや、各事業部のマネジャークラスは、年度の方針の中に、デフォルトで「年間の人材育成計画」を織り込むべきです。
人事部や経営者から言われる前に先だって進め、スタンダードを作るくらいでやるのが、社内評価を得るためにも重要です。「うちの部門では、こんな育成をしています」と胸を張って言えるようになりましょう。
事業部ならではの人材開発育成計画
身に付けたいのは、職種や職層といった、マクロな同質性を前提に設計される人事部のそれとは大きく異なる、事業部目線での人材開発育成計画の立て方と運用方法です。
事業部のリーダーとして、まずやらなければいけないこととは何でしょうか?そして顕在化すべき概念とは何でしょうか?
- 部門ごとの特性を把握する: 自部門の業務の特徴、必要なスキル、キャリアパスを明確にする
- 個々の社員の強みと弱みを理解する: 1on1ミーティングなどを通じて、各メンバーの現状を把握
- 部門の目標と個人の成長をリンクさせる: 部門の KPI 達成と個人の成長をどう結びつけるか考える
- 具体的な育成施策を設計する: OJT、OFF-JT、自己啓発支援など、多様な手法を組み合わせる
- 進捗を定期的に確認し、フィードバックする: 四半期ごとに育成計画の進捗を確認し、必要に応じて軌道修正
シンプルに始めよう
複雑なものを作る必要はありません。策定のステップはシンプルでいいのです。マネジャーが今日から始められる、人事部にたよらない、事業部目線に基づいた人材育成スキームの構築。
まずは、部門の全メンバーのスキルマップを作成してみてはどうでしょうか?そこから、各メンバーの育成ポイントが見えてくるはずです。それを基に、具体的な育成計画を立てていけば、自然と部門の人材育成の仕組みが出来上がっていきます。
人材育成は、一朝一夕にはできません。しかし、今日から少しずつ始めれば、1年後、3年後には大きな差となって現れるはずです。「うちの部門の人材育成はすごい」と他部門から羨ましがられる日も、そう遠くないかもしれません。
さあ、明日から、あなたの部門の人材育成計画、始めてみませんか?具体的な人材育成スキームの構築ステップについてご興味ある方は、ぜひお問い合わせください。皆様の部門を、人材育成のモデルケースにするお手伝いをさせていただきます。
株式会社grament