KPIは事業戦略そのものであり、戦略に基づき、人や組織を動かすエンジンであるとご理解頂くことを目的としたものです。故に、KPIは、単なる経営目標管理のための指標という位置付けでのみ使うべきものではなく、事業目標に、最も資する状態を定義し、それに組織として注力させる「力学」として機能させなければいけません。
本書は、KPIマネジメントに興味を持つ経営者・事業責任者・ブランドマネジャー・ラインマネジャーなど、今現在、事業活動の中核を担っているリーダー。そして、これから企業の中核を担っていくであろう、次世代のリーダー候補たちに向けた、理論と実例による、より効果的な実務のための一冊となっているはずです。
本書は、以下の5つの章で構成されています。
- KPIとKPIマネジメントについての基本的な概念
- 顧客や組織を動かすためにKPIが非常に強力なツールになる理由
- KPIという概念は導入されているものの、うまく活用できない企業が多い背景
- 具体的にどのような手順でKPIを策定するか、その方法論
- 策定したKPIを検証、効果測定する上でのポイント
本書を手に取って下さったことをきっかけに、ぜひとも、事業戦略とKPIを効果的に融合させた、実効性のあるマネジメントを推進して頂きたいと考えています
以下、出版元であるすばる舎さんに、紹介文を作成頂きました。
非常にわかりやすいので、引用して紹介致します。
(以下、すばる舎さん作成の、本書紹介文より)
経営目標を達成するためには、
- 「何が要諦なのか」
- 「どこを攻略点すればいいのか」
- 「そのために、何に注力すればより効果的なのか」
ということが課題としてあり、これを組織やチームで理解・共有→実行→効果測定→改善というプロセスを回していく必要があります。
KPIと聞くと何だか「机上の話」「小難しい概念論」「数値的な世界」を想像する方も多いですが、本書で解説するKPIの策定アプローチは
- 人の心理が出発点
- 現場でのリアリティ
- 再現できる方法論
という、今までの概念とは「反転」するものになります。むしろそういうものでないと、KPIは現場で全く機能しないと考えるからです。
事業責任者・ブランドマネジャー・ラインマネジャーといった現場リーダー特有のよくある悩みとしては、
- 「そもそも、事業戦略をどのように策定すればよいか?」
- 「事業戦略を効果的に動かすにはどうすればよいか?」
- 「現在、設定されているKPIは本当に今のままでよいか?」
- 「なかなか動かない社員をどのようにリードすればよいか?」
というものがあります。
論点を整理すると、
- 勝てる戦略の立て方とは
- 人の動かし方とは
に集約されます。現場で求められる戦略とは「競合に勝てる理屈と手順」のことです。
KPIに限らず、マネジメントが失敗する多くの原因は「戦略を深く考える」ということを試みてはいるものの、実は「深く考える手順」を知らないことに起因すると考えています。
本書では、KPI・KPIマネジメントの理解と実行を通じて、「いかに深く考えるための方法や枠組みを持つか」ということが身についてくるはずです。社員や組織を企図どおりに動かすこと。これはまさしくリーダーの役割であり、永遠のテーマでもあります。戦略に基づいて組織全体を動かしていく「強い力学(原動力)」になるかというと、簡単ではありません。
じっくり社員の意識を涵養していくような啓発的なアプローチもいいのですが、まず「仕組み」や「環境」を使って、人や組織を動かしていく方法を採用したほうが、よりコントロールしやすく直接的であるため、結果として企図した効果が発揮されやすいと考えます。この文脈で言えば、自社固有の「勝てる事業戦略」を立て、業務遂行にあたって、人や組織を企図したとおりに動かすために、最も強力に作用する仕組み(=人の動かし方)を策定することがKPIであり、まさしく、これこそ本書で伝えたいことなのです。
(以上)
如何でしょうか。ご興味をお持ち頂けましたでしょうか?
この書籍の刊行をきっかけに、多くの企業様とKPI策定に関するお仕事を頂くことができております。それらのお仕事を通じて、更に様々なKPIマネジメントに関する知見が蓄積されてきました。それらを咀嚼し、改めて皆さまにノウハウとしてお届けするべく、いつか本書の続編を出したいなあ・・・とも考えています。